災害時の格安SIMの速度・電波は大丈夫？災害時通話は使えるか・繋がりにくいか解説

突然の災害時、格安SIMが使えるのか不安な方は多いでしょう。

通信できないとなると、家族の安否確認や職場への連絡ができなくなり不便です。

今回は、災害時に格安SIMが問題なく使えるのか、災害時に困ることはないかを徹底解説します。

格安SIMは災害時でも通信・通話できる？

格安SIMは災害時でも通信・通話できるのでしょうか？災害時でも通話やデータ通信が行えるかどうかを見ていきましょう。

災害時に通話できる？

結論から言うと、格安SIMでも災害時の通話は可能です。格安SIMだからといって通話制限がかけられることはありません。

ただし、災害時は安否確認等で電話回線がかなり混雑します。こうした電話回線や通信回線にアクセスが集中することを「輻輳(ふくそう)」といいます。

輻輳を回避するため、災害時は電話回線へのアクセスを制限することがあります。そのため、大手キャリア・格安SIMに関わらず電話が繋がりにくいことがあるようです。

災害時にデータ通信は使える？

通話同様、格安SIMでも災害時のデータ通信は可能です。さらに、音声通話と違ってデータ通信は制限がかかりません。

そのため、混雑する電話を使うよりも、メールやLINEを使った方が連絡が繋がる可能性が高いです。いくつかの格安SIMでは、通話よりもデータ通信を使っての安否確認を推奨しています。

なお、制限がかからないとはいえ、一気にアクセスが集中することに変わりはありません。

格安SIMで緊急通報はできる？

音声通話付きSIMプランの利用者のみ、緊急通報が可能です。050などのIP電話の多くは、110番や119番の緊急通報ができません。

データ通信SIMの利用者でも使える緊急通報用のアプリがあるので、アプリを活用することをおすすめします。データSIM契約でも、緊急通報ナビというアプリを利用することで、緊急通報に似た案内が表示されます。

しかし、事故や火災などの緊急時に冷静な対応ができるとは限りません。そのため、音声通話SIMを契約しておく方が安心です。

音声通話SIMを契約することで、いつでも緊急通報ができる状態になります。

以下の記事では、格安SIMの通話料金を比較し、安くておすすめの格安SIMを紹介しています。音声通話SIMの乗り換えを検討している方は、ぜひご一読ください。

格安SIMでも緊急地震速報は鳴る？

緊急地震速報は、突然の災害をスマホで知ることができるものです。通常、大手キャリアの場合は地震速報が鳴りますが、格安SIMの場合はどうなのでしょうか。

緊急地震速報は鳴る端末・鳴らない端末がある

緊急速報は格安SIMでも受信できます。ただし、SIMフリースマホには、緊急速報を受信しても画面表示や警告音が出ないものがあります。

市場に出回っているSIMフリースマホには、地震・津波以外の災害の警報を表示・鳴動しないものが多いです。

一方、大手キャリアのスマホとiPhone（SIMフリー含む）は、全ての警報が表示・鳴動します。

災害はいつ起こるかわからないものなので、緊急地震速報の音が鳴る端末であるかの確認を最初に行いましょう。自分でわからない場合は、対応スタッフに確認して端末を選ぶと安心です。

また、あらかじめ自分で情報を確認してから端末を選ぶ方法もよいでしょう。

警報をすぐに通知し鳴動することで、冷静に対応し避難することができます。災害が起きて逃げ遅れたという事態にならないためにも、対応端末を選ぶことが大切です。

格安SIMで災害時に困ることは？

ここでは、災害時に格安SIMを使っていて困ることがないかをまとめました。

かけ放題は使えなくなる可能性がある

5分かけ放題や10分かけ放題などのオプションを提供している格安SIMがあります。

災害時、このようなかけ放題オプションを使った通話は繋がらない可能性があるため注意が必要です。かけ放題オプションによる通話をする際は、中継電話会社を経由してキャリアの電話回線に接続します。

電話番号の頭に特定の番号をつけるのは、中継電話会社を経由するためです。これを「プレフィックス方式」といいます。

かけ放題が専用アプリ経由でできる場合も、プレフィックス方式が採用されています。

災害時に中継電話会社の設備が故障したり、アクセスが集中したりすると、プレフィックス方式の電話はできません。

専用アプリを使用しない場合でも、「オートプレフィックス」というプレフィックス番号を自動的に付与する機能が採用されている場合もあります。

災害時に電話をかける場合は、プレフィックス方式を使わない方が確実です。

プレフィックス・オートプレフィックス方式を採用していない格安SIMは以下の通りです。

プレフィックス・オートプレフィックスを採用していない格安SIM

• ahamo
• povo
• UQモバイル
• LINEMO
• ワイモバイル
• 楽天モバイル
• J:COM MOBILE

災害用伝言板は使えない

格安SIMでは、大手キャリアが提供している「災害用伝言板」が使えません。災害用伝言板とは、大規模災害時にスマホで安否確認ができるサービスです。

これはキャリア限定のサービスなので、格安SIMでは使えません。しかし、NTTが提供している「災害用伝言ダイヤル(171)」は使えます。

災害用伝言ダイヤルとは、災害時のみ使える声の伝言板のことです。自分の電話番号や連絡を取りたい電話番号をダイヤルして、伝言を残せます。

災害用伝言ダイヤルについては、こちらをご確認ください。

速度が遅くなる・繋がりにくい可能性がある

災害時、格安SIMは通信速度が遅くなる可能性があります。

そもそも格安SIMは、大手キャリアの通信回線を借りて通信を行うサービスです。そのため、平常時も利用者が多いお昼の時間帯は繋がりにくくなることがあります。

災害によって普段以上に回線が混雑した場合、大手キャリアよりも速度が遅く、繋がりにくい状態になることが想定されます。

格安SIMだからといって通信が制限されるわけではありませんが、大手キャリアよりも繋がりにくくなると考えておきましょう。

災害時も安心して使えるおすすめ格安SIM

災害時も安心して使えるおすすめの格安SIMをまとめました。乗り換えの際の参考にしてください。

UQモバイル

※内容は記事更新日時点の情報です。最新の情報については必ず公式サイトをご確認ください。

CMで有名なUQモバイルは、auのサブブランドという位置づけです。そのため、格安SIMでありながら、auとほぼ同等の通信速度でインターネットが使えます。

「格安SIMに乗り換えて速度が遅くなったらどうしよう」と悩んでいる方も、UQモバイルならキャリア並なので安心です。

通信速度が速いだけでなく、au回線を使っているためauスマホがそのままUQモバイルでも使えます。SIMロック解除手続きや新たに端末を購入する必要がないので、月々のスマホ代だけ安くしたい方にぴったりです。

【UQモバイル公式】詳細はこちら

UQモバイルの月額料金プラン

UQモバイルの料金プランは、ミニミニプラン・トクトクプラン・コミコミプランの3種類から選べます。

これらは2023年6月1日から開始した料金プランで、余ったデータ容量を翌月に繰り越せることが大きな特徴です。

ミニミニプランは、データ通信をあまり行わない方におすすめです。トクトクプランは、15GBまで利用できますが、段階性となっており使用したデータ量が1GB以下の場合は1,188円(税込)の割引が適用されます。

コミコミプランは、データ容量が20GBで10分以内の国内通話が24時間かけ放題になります。データ通信も通話もたっぷり利用したい方におすすめです。

【UQモバイル公式】詳細はこちら

IIJmio

IIjmioの大きな特徴は、他の格安SIMや大手キャリアに比べて取扱い端末数が圧倒的に多い点です。

また、定期的に端末セールが実施されています。中古端末もあるため、端末もセットで購入したい方は、選択肢の多いIIjmioがおすすめです。

【IIJmio公式】詳細はこちら

IIJmioの月額料金プラン

IIJmioの料金プランは、音声SIM・SMS対応SIM・データ専用SIM・データ専用eSIMも選択できます。それぞれ、データ容量は2GBから50GBまで選べるので、利用状況に合わせて適したプランを契約しましょう。

また、契約期間の縛りがなく解約違約金も発生しないので、万が一サービス内容に満足できなかった場合も気軽に乗り換えられます。

音声SIMの場合、2GBで850円(税込)/月で利用できるお得なプランなので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

以下の記事では、IIJmioの評判についてまとめています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。

【IIJmio公式】詳細はこちら

mineo

mineoはドコモ・au・ソフトバンクのトリプルキャリアに対応しています。

mineoの特徴は、mineoユーザー同士のコミュニティ活動や助け合いが活発な点です。例えば、コミュニティサイト「マイネ王」では、Q&Aフォームや掲示板で情報交換し、mineoユーザー同士が問題解決をしています。

さらに、mineoユーザー同士が余ったパケットを「フリータンク」にシェアし、ギガが足りないユーザーを助ける活動もあります。フリータンクは、サービス開始から1度もパケットが枯渇せずに続いているサービスです。

それほど、ユーザー同士の助け合い精神が活発な格安SIMとなっています。

【mineo公式】詳細はこちら

mineoの月額料金プラン

「マイピタ」月額料金

「マイそく」月額料金

mineoの料金プランは、データ容量で選ぶ「マイピタ」と通信速度で選ぶ「マイそく」があります。音声通話+データ通信の「デュアルタイプ」とデータ通信のみの「シングルタイプ」から選択が可能です。

データ容量はそれぞれ1GB・5GB・10GB・20GBから選べるので、ライト・ミドル・ヘビーユーザーが利用できるプランです。

どの回線を選んでも金額は変わりません。自身に合った料金プランを選びましょう。

【mineo公式】詳細はこちら

イオンモバイル

イオンモバイルは月額803円(税込)から利用可能です。0.5GBから200GBまで自身の使用量に合わせてプランを選択できます。

また、余ったデータは繰り越しできるほか、プラン変更は何度でもできるため、その都度使用スタイルに合わせてプランを変えられます。

全国のイオンで相談ができるため、わからないことがある場合でも安心です。

イオンモバイルのお申込みはこちら

他の格安SIMについても詳しく知りたい方は、以下のおすすめの格安SIMを比較した記事をご覧ください。

格安SIMにおすすめの災害時に役立つアプリ

緊急通報と緊急地震速報を利用できるアプリを紹介します。ダウンロード無料、iPhoneとAndroidに対応しているものに絞ってまとめました。

緊急地震速報｜Yahoo!防災速報

利用者数2,200万人を突破している人気アプリです。自宅や勤め先など、最大で3ヵ所まで通知したい場所を登録できます。

地震だけでなく、豪雨情報・Jアラート・避難勧告・津波予報・電力使用状況・計画停電についても通知可能なため、幅広く対応できる防災アプリとして活用できます。

防災速報の情報をいち早く知りたいという人に適しているほか、地震速報だけではなく津波予報も確実に知りたい人も便利に活用できます。無料で利用できるため、アプリを導入して防災への意識を高めましょう。

緊急地震速報｜NHK ニュース・防災

NHKの公式アプリです。防災だけではなくニュース速報も通知されるため、テレビを見なくてもいち早く情報が得られます。

避難情報も表示され、マップ上で雨雲や台風、河川情報をチェックできます。総合的に情報を得られるアプリとして活用したい人が多く利用しています。

災害時の対策として、防災アプリのみを入れておくことを第一に考えがちですが、NHKニュースも閲覧できるため幅広い情報が得られます。

天気予報も掲載されており、地域に応じた気象情報も把握できます。ニュースも防災情報も知りたいという方におすすめのアプリです。

緊急地震速報｜ゆれくるコール

気象庁の緊急地震速報を元に、地震発生の情報を素早くプッシュ通知してくれるアプリです。

地震の到達をカウントダウンで知らせてくれるため、避難に費やせる時間を把握でき、強い揺れに備えられます。音量・地域・震度の細かい設定通知もできるため、自分に合わせて利用できるのが魅力です。

マナーモードの際は音がならないため、マナーモードの解除を忘れないようにしましょう。

緊急地震速報のほかにも、観測後の震度情報や津波、注意報の発表や解除の通知もしてくれます。地震が頻繁にくる地域の方は、このようなアプリを活用して災害に備えておきましょう。

災害に備えて普段から注意すること

災害時パニックにならないためにも、準備をしておくに越したことはありません。普段から災害に備えてできることや注意すべきことをまとめました。

避難場所を確認

最初にすべきなのは、災害時の避難場所を確認しておくことです。避難場所とは、文字通り一時的に避難できる安全な場所を指します。

災害時にインターネットが遅い・繋がらない場合も、避難場所を覚えておけばすぐに移動できます。

自治体が指定しているので、事前に住まいの地域の避難場所を確認しておきましょう。あわせて、勤務先がある地域の避難場所も頭に入れておくと安心です。

緊急速報が受信できるか確認

前述の通り、緊急速報・緊急地震速報は受信できる端末とできない端末があります。災害時、「受信できると思っていたのに鳴らなかった」となったら大変です。

すぐに避難できるように、事前に緊急速報が受信できるか確認しておきましょう。受信できない場合は、アプリのインストールをおすすめします。

災害時の安否確認サービスを登録しておく

災害が起きてパニックにならないために、安否確認サービスを事前に登録しておきましょう。自分だけでなく、家族も一緒に登録しておくと安心です。

災害用伝言ダイヤル

NTT東西やNHKが提供する災害用伝言板を活用し、電話番号と名前を登録しておくことで災害時に連絡を取り合うことができます。

災害が起きてからではなく、事前に登録しておくことでスムーズに情報を確認でき、安否確認が可能です。

災害時は通話ができないことを想定し、災害用伝言板（web171）を登録しておくことをおすすめします。災害時は連絡が取れないことで、不安やストレスを感じたり、パニックになりやすいものです。

災害用伝言板（web171）は簡単に登録できるので、事前の対策として登録を済ませておきましょう。

災害時に備え、準備をしておこう

災害時でも格安SIMは利用できます。しかし、通話はつながりにくくなり、同じアナウンスが流れて利用できない可能性があるため、災害時には通話できないことを想定しておきましょう。

一方、通話ではなくメッセージなどのデータ通信はできます。それもつながりにくい場合には、災害用掲示板の活用を視野に入れ、事前の登録を済ませておくことが大切です。

万が一のときに備えて、災害情報を得るためにも防災アプリをインストールするのもおすすめです。いざというときに情報が得られず、安否確認が取れないという状態にならないためにも、事前の対策が鍵となります。