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  • 更新日:2020年01月15日

シャオミ日本スマホ市場への進出、高性能で低価格なモデルへの期待集まる

シャオミ日本スマホ市場への進出、高性能で低価格なモデルへの期待集まる

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日常生活の必須アイテムとなったスマホは、2019年も話題の尽きない1年となりました。

端末割引を制限する法改正によって、国内のスマホ市場は激変しました。この変化を察した中国メーカーは、格安スマホで日本への進出を進める中で、ディスプレイ画面が半分に折れ曲がる「折りたたみスマホ」も登場しました。

法改正によってミドルレンジモデルの端末が増えていく中で、スマホも市場価値が低下しているとの見方は多いものの、2020年には次世代通信規格「5G」の商用サービス開始を控えており、ハイエンドモデルの動向はどうなっていくのか気になります。

今回は、12月のiPhone・Androidの中古スマホ相場を見ていきながら、2020年を展望していきます。

※フリーマーケットアプリやインターネットオークション等主要4サイトの取引実績により抽出した価格情報を元に、2019年12月と11月を比較しています。

iPhone 8が依然として上位独占か

2019年12月のiPhone全体の取引市場は、11月に比べてiPhone全体の取引数は9.3%増加しました。

12月の中古iPhone端末ランキングトップ10の顔ぶれは、11月と大きな変化はないものの、取引量自体の大きな変動がみられました。

その中でも、取引量が最も増加したのはiPhone 8 64GB(ソフトバンク)で、中古市場では新品未使用品を中心に取引されました。

2位にランクアップしたソフトバンク版iPhone 8は、2019年10月31日から実施されている「のりかえPayPayキャンペーン」の対象端末です。

これは、ソフトバンクとスマホ決済サービス「PayPay」によるキャンペーンで、他社から該当期間中にソフトバンクに乗り換えをすると、最大2万円当のPayPayボーナスがもらえるというものです。

近日、中古スマホ相場ランキングにてiPhone 7とiPhone 8が上位を独占している結果を踏まえると、iPhone 8に多く人気が集まったため取引量が増加したと考えられます。

ちなみに、iPhone 8の新品未使用品の平均価格は、45,000円を切っており、非常に手に入れやすい状態です。

6位のiPhone 6s 64GB(ソフトバンク)は、11月ランキング同様に取引数が増加しており、やや傷汚れあり、ネットワーク利用制限○、SIMロック解除済品が継続的に取引されました。

これは、ヤフオクにて1社のスマホ販売事業者から、8000~9000円の安価な価格で大量に出品があった影響だと考えられます。

12月のAndroid市場でもXperiaシリーズがトップを独占

2019年12月のAndroid全体の取引市場は、11月に比べてAndroid全体の取引数は8.5%増加しました。

12月の中古Android端末ランキングトップ4の顔ぶれは前月から変動はなく、Xperiaシリーズが継続して上位を独占してるものの、Android全体の取引量自体の大きな変動がみられました。

その中でも、取引量が最も増加したのはPixel 3a 64GB(ソフトバンク)で、中古市場では新品未使用品を中心に取引されました。

新品未使用品の取引量が増加した一方で、目立った傷汚れのない端末の取引量も伸びており、中古Android市場では平均3万円程度で取引されています。

Google Pixel 3aは、2018年に発売された「Google Pixel 3」同様、AI機能に特化しているスマホです。

また、Pixel 3aの端末価格は現在ソフトバンクで販売されているスマホの中でも、最安級で利用できることもあって非常に人気です。

▼iPhone格安SIM通信のYouTubeチャンネルでは、2019年Android秋冬モデル厳選3端末を紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

スマホ市場動向12月レポート

ここでは、12月の中古iPhone・Android端末ランキングを踏まえて、市場に大きな影響を与えたニュースをまとめています。

シャオミの日本スマホ市場での可能性

中国のスマートフォンメーカーであるシャオミ(Xiaomi、小米科技)が、2020年に日本へ進出すると表明したことで話題となりました。

シャオミは、3年前から中国以外の海外進出を進めていますが、日本市場には参入していませんでした。

このため国内での知名度はまだ低いものの、IDCによる2019年のスマホ出荷台数調査で世界4位につけるなど、HUAWEIやOPPO JAPANと肩を並べるほどの大きなメーカーです。

最新のプロダクトとしては、スマホで世界初の1億800万画素カメラを含む5種類のカメラを搭載した「Xiaomi Mi Note 10」を、2019年11月5日にグローバル展開しました。

同端末のズーム性能は光学2倍、光学5倍、ハイブリッドズーム10倍、デジタルズーム50倍を備えています。プロセッサはSnapdragon 730G、メモリは6GB、ストレージは128GBと高性能でありながら6万6,000円と、手頃な価格もシャオミのポイントです。

また、2019年9月にAppleから発売されたiPhone 11がAndroidよりもコスパが高いといわれる中で、シャオミブランドが日本スマホ市場で活躍する可能性はどれほどあるのでしょうか。

MMD研究所による日本国内のiPhoneとAndroidのシェア率の調査では、iPhone端末利用率42.8%に対して、Android端末利用率が57.2%まで上昇しています。

Android端末メーカーの内訳としては、ソニーモバイル18.4%、シャープ12.6%、サムスン電子8.3%、HUAWEI5.7%、富士通3.1%となっています。

これらの結果から、キャリアの端末割引規制によってミドルレンジモデルが注目を集める中で、シャオミの高性能で低価格の製品ラインナップには期待が集まっていくのではないでしょうか。

おサイフケータイ非対応スマホの需要はいかに

10月1日に実施された消費増税が開始してから、注目を集めたのが「キャッシュレス・ポイント還元事業」です。

キャッシュレス・ポイント還元加盟店舗では、キャッシュレス決済によって2%もしくは5%の還元を行うというもので、昨年末からブームになっているスマホ決済の利用者増加にもつながりました。

スマホ決済の利用者の増加は、おサイフケータイ搭載スマホの販売促進に影響を与えたのでしょうか?

iPhoneの場合、iPhone 7から「Apple Pay機能」が搭載されてモバイルSuicaが利用可能となりました。

しかし、Apple Pay機能の搭載されていないiPhone 6s以前の中古市場での取引は減少しており、新品市場のことも鑑みるとおサイフケータイ非対応スマホの需要は少なくなっていると考えられます。

iPhone 7とiPhone 6sのスペックを比較すると、大きく変わったのは「Felica対応」「防水・防塵機能」で、その分イヤホンジャックはなくなっています。

中古市場での価格は大きく違うため、Felica機能への需要の高さが感じられます。

一方で、Felica機能が不要なユーザーからすると、おサイフケータイ非対応スマホを選択すればより安く端末を手に入れられる状況です。

総務省、スマホ「動画見放題」にも速度制限を求める指針

動画見放題サービス、また特定のサービスが使い放題になるゼロレーティングサービスは、大手キャリア及びサブキャリア、一部MVNO業者にて提供されています。

各社のサービス展開方法によって、利用出来る特定のコンテンツが優遇されてしまうという点が問題となっています。

一方で、消費者からはよく使うコンテンツがラインナップされているため人気があり、キャリアを選択する際のポイントにもなっています。

現状は「直ちに事業法上問題とはならない」とのことですが、今後の規制次第ではキャリアのシェアがより分散していくことに繋がる可能性があります。

アナリスト 菅野 辰則 ― ライター
アナリスト 菅野 辰則 ― ライター

1983年生まれ。株式会社マーケットエンタープライズ  中古モバイル市場アナリスト
ソフトウェア開発会社にて、開発業務からスタートし、新会社設立時のWebマーケティング全般の業務を担った後、2010年にマーケットエンタープライズに入社。 当社でWebマーケティングの責任者や経営企画を担当後、現在は、メディア・プラットフォーム事業の責任者に従事する。膨大なデータの分析・管理能力を活かして、中古モバイル市場の動向を分析するアナリストも兼任する。