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  • 更新日:2020年04月23日

iPhone、Androidともに取引数増加―新型コロナウイルスの影響を受けた端末はどれだ

iPhone、Androidともに取引数増加―新型コロナウイルスの影響を受けた端末はどれだ

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2020年第1四半期は、新型コロナウイルスの影響で外出を控える動きが全国的に広がり、通信事業にも大きな影響を与えました。

ウイルス感染拡大の影響に伴い、世界最大級のモバイルイベント「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」や、毎年春と夏に開催されるAppleの新作イベントも中止となっています。

その中で、3月には各キャリアから5G対応スマホ(4G対応スマホ含む)が発表・発売されました。

新型コロナウイルスの影響や5G対応スマホの発売によって、中古スマホ市場はどのように動いたのでしょうか。2020年1月~3月のスマホ市場の動きから、現在のトレンド端末と今後の市場動向を探っていきます。

iPhoneランキング―iPhone 7とiPhone 8がランキング上位独占状態を継続

中古スマホ市場全体では、iPhone・Android共に前四半期と比べて取引数が増加しました。iPhoneの取引数は、前四半期で2.93%増加しています。

新古品iPhoneの取引数は前四半期比で15.75%増加、中古iPhoneの取引数は前四半期比で1.49%増加しました。

ランキング上位は前四半期同様iPhone 7・iPhone 8が占めており、iPhone 8の取引量は前四半期から30.8%増加しています。iPhone 7の取引数が前四半期で2.2.%増加していることを考えると、iPhone 8は大きな変動といえます。

auで2019年12月6日(金)~2020年1月31日(金)に実施された「iPhone 8おトク割」や、au Pay決済加盟店での割引キャンペーンによって安価な新品iPhone 8の取引量が増えたものと思われます。

iPhone 8全体の中央値は右肩下がりに推移しており、新古品の中央値は43,400円、中古品の中央値は30,000円に下がっています

前四半期同様、2018年発売のiPhone XS/XS Max/XRシリーズは1機種もランクインしていません。

これは、2019年発売のiPhone 11に機能面で大きな変化がなかったため、iPhone XSシリーズからiPhone 11シリーズに機種変更する動きが見られず、iPhone XSシリーズがランクインしなかったと思われます。

Androidランキング―ドコモSPECIAL割引の対象端末が急上昇

Androidの取引数は、前四半期比で18.23%増加しました。iPhoneの取引数が2.93%増加だったことを考えると、大きな変動です。

また、Androidの中古品の取引数は8.76%増加していましたが、Androidの新古品取引数は75.62%も増加しています。

これは、3月が需要期にあたることに加え、ドコモは毎年3月にキャンペーンを実施していることから、安価な新古品の取引数が増えたものと思われます。

圏外からランクインした1位のGalaxy A20、4位のAQUOS sense3は2019-20年冬春モデルとして発売されたミドルレンジスマホです。

これらは、3月にドコモオンラインショップで開催された「SPECIAL割引」の対象端末でした。

Galaxy A20は14,300円割引、AQUOS sense3は22,000円割引となっており、これらを転売するユーザーが増えたことで新古品の取引数が増加したと思われます。

総評

スマホ市場全体の動きとして、キャリア各社は3月の商戦期にキャンペーンを実施するため、取引量が増える傾向にあります。

4月以降は目立ったキャンペーンは実施されないものの、2020年4月16日(木)にAppleから発表されたiPhone SE(第2世代)の発売によって、中古スマホ市場の取引量に影響を与えると考えられます。

iPhone市場では、今までランキングの上位を独占していたiPhone 8の取引量減少もしくは値崩れが生じる可能性があります。

現状四半期ランキングでランキング1位のiPhone 8の中古スマホ市場における平均価格は、34,000円台となっています。

新型iPhone SE(第2世代)は本体価格49,280‬円~(税込)となっており、キャリアでの端末割引上限額2万円を加味すると、iPhone 8の中古スマホ市場の平均価格を下回ることになります。

4月iPhoneランキングの新型iPhone SE(第2世代)と同価格帯かつランキング上位のiPhone (7/)8の取引量の変化に注目です。

Android市場は、例年5月頃から大手キャリアがAndroidの夏モデルを発売をしていましたが、今年は3月末に4G対応スマホと同時に5G対応スマホが発表されました。

5G対応スマホの発売に伴い、各社割引キャンペーンを実施していますが、5G対応スマホの種類は少なく、中古スマホ市場に出回るのはまだ先になりそうです。

5G対応スマホの発売によって、中古スマホ市場がどのように変化していくのか目が離せません。

【iPhone格安SIM通信について】

アナリスト 菅野 辰則 ― ライター
アナリスト 菅野 辰則 ― ライター

1983年生まれ。株式会社マーケットエンタープライズ  中古モバイル市場アナリスト
ソフトウェア開発会社にて、開発業務からスタートし、新会社設立時のWebマーケティング全般の業務を担った後、2010年にマーケットエンタープライズに入社。 当社でWebマーケティングの責任者や経営企画を担当後、現在は、メディア・プラットフォーム事業の責任者に従事する。膨大なデータの分析・管理能力を活かして、中古モバイル市場の動向を分析するアナリストも兼任する。