- 特集
- 更新日:2020年05月21日
iPhone SE(第2世代)発売、人気のミドルレンジモデルに値崩れ発生か
※当記事はPRを含みます。詳しくはこちら。
※カシモWiMAXは株式会社マーケットエンタープライズの関連会社、株式会社MEモバイルが運営しています。
新型iPhone SE(第2世代)が、Appleから4月24日(金)に発売されました。
新型iPhone SE(第2世代)は、4万円台のミドルレンジモデルながらiPhone 11同様のA13チップを搭載しており、iPhone 8同様の4.7インチサイズです。
ホームボタンは物理ボタンを採用しており、新型コロナウイルス感染予防のため、マスクを着用する機会が増える中、画面ロック解除の際にマスクを外す必要のない「指紋認証(Touch ID)」が利用可能な点で、iPhone 8との互換性が高いと言えます。
現在の経済状況を鑑みても、新型iPhone SE(第2世代)は今すぐ新しいスマホを手に入れたいというユーザーに人気のiPhoneと言えそうです。
例年通り、キャリア各社はAppleと同日の発売を予定しておりましたが、発売日を5月11日(金)に延期するという異例の事態が発生しました。
そこに大きく関係しているのが新型コロナウイルスです。
2020年5月時点では新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、感染防止のため3密を避け、他人との接触を7~8割減らすよう、政府や自治体から要請がなされている状況です。
各キャリアショップは、新型コロナウイルスの感染拡大を予防する取り組みの一環として、店舗の時間短縮営業および店頭で対応するサービスを縮小しています。
最近では、キャリア各社がショップの時短営業についてテレビCMを打ち、オンラインショップの積極的な利用を推奨しています。
キャリア各社オンラインショップでの各種対応サービスの拡大や、端末割引キャンペーンといった施策も実施されています。
新型コロナウイルスによるこれらの事象は、中古スマホ市場に間接的な影響を与えたでしょうか。
本記事では、中古スマホ市場で取引量の多かった端末をランキング形式でご紹介しています。
中古スマホを使って賢い消費をしたい方は、ぜひ参考にしてください。
※フリーマーケットアプリやインターネットオークション等主要4サイトの取引実績により抽出した価格情報を元に、2020年3月と4月を比較しています。
iPhone SE(第2世代)の発売によりiPhone 8の大幅な値崩れ発生
2020年4月のiPhone全体の取引数は、3月と比べて3.8%減少しました。
中古iPhoneランキングの1位~3位は、iPhone 8 64GB(au,docomo,ソフトバンク)でした。
中古市場で取引されたiPhone 8の平均価格は26,000円~27,000円と、3月平均価格の3万円台を下回っています。
他モデルの平均価格の前月比が1,600円~2,000円なのに対して、iPhone 8は3キャリアで3,000円~6,000円減少しています。
Appleは、4月16日(木)に新型iPhone SE(第2世代)の情報を解禁しました。
iPhone SE(第2世代) は、49,280円~と5万円以下の低価格でありながら、最新チップ「A13 Bionic」を搭載し、本体サイズは4.7インチで物理ボタンを採用し、見た目はiPhone 8同様です。
Appleの公式発表によって、中古iPhone市場でiPhone 8を購入するユーザーニーズの低下を危惧した販売店が、前月平均価格から7,000~8,000円程下げた状態で在庫を処分した背景が考えられます。
キャリア各社でのiPhone SE(第2世代)の発売日は5月11日(金)なので、iPhone SE(第2世代)の発売を待ちきれなかったユーザーが購入し、取引量の増加に寄与したと推測できます。
また、iPhone SE(第2世代)の発売によってiPhone 8を手放すユーザーが増えると仮定すると、iPhone 8の取引量の増加と価格減少は継続傾向にあるといえるでしょう。
10位のiPhone XS 256GB(ドコモ)は、ドコモオンラインショップ限定キャンペーン「SPECIAL特典」と「SPECIAL割引 第2弾」の対象端末でした。
SPECIAL特典は、iPhone XSやiPhone 11、Xperia 5などの対象端末に機種変更するとdポイントが3,000ポイント還元されるキャンペーンです。
iPhone XS 256GBは、3月3日にSPECIAL割引の対象機種として追加されました。
SPECIAL割引 第2弾は、キャンペーン期間中に対象端末に機種変更すると最大22,000円割引されるキャンペーンです。
これらのキャンペーンを利用してオンラインショップで新品端末を購入したユーザーが転売し、取引量が増加したと考えられます。
現時点ではドコモオンラインショップのiPhone XS(256GB)は在庫切れとなっています。
キャリア各社で端末割引のキャンペーンが実施されない限り、今後の取引量はゆるやかに減少すると推測されます。
各キャリアで実施された端末割引の対象端末が圏外からランクイン
2020年4月のAndroid全体の取引数は、3月と比べて0.7%増加しました。内訳としては、中古品が10.5%減少したものの、新古品(新品、未使用品、目立った傷汚れなし)は27.9%と大幅に増加しています。
4月の中古Androidランキングは大きく順位が入れ替わり、圏外から新たに5機種ランクインしました。
中でも大きく取引数を伸ばしたのが、3位のHUAWEI P30 Proです。
HUAWEI P30 Proは、ドコモオンラインショップ限定キャンペーン「端末購入割引」の対象端末でした。
HUAWEI P30 Proの端末購入割引適用時の価格は、90,288円から48,312円と大幅に値下げされました。
中古市場で取引されたHUAWEI P30 Proの新古品は、3月平均価格77,219円、4月平均価格54,742円と値崩れが発生しています。
HUAWEI P30 Proをドコモオンラインショップで新品端末を購入したユーザーが転売し、取引量が増加したと考えられます。
10位のXperia 1は、au Online Shop限定キャンペーン「au Online Shopお得割」の対象端末でした。
au Online Shopお得割は、キャンペーン期間中に対象端末に新規契約もしくは機種変更すると、最大22,000円割引されるキャンペーンです。
Xperia 1は新規契約で11,000円割引、機種変更で最大22,000円割引されます。
中古市場で取引されたXperia 1の新古品は、3月平均価格57,842円、4月平均価格50,610円と値崩れしています。
Xperia 1をauオンラインショップで新品端末を購入したユーザーが転売し、取引量が増加したと考えられます。
テレワーク需要の高まりによってiPadの取引量上昇
新型コロナウイルス拡大の影響でテレワークの需要が高まる中、軽量で持ち運びしやすいタブレット端末が人気を集めています。
以下のグラフでは、2019年5月から2020年4月中古iPadの取引量の推移を表しています。
▼中古iPadの取引量の推移(2019年5月-2020年4月)
2019年9月11日にAppleからiPad(第7世代)が発売されました。
iPad(第7世代)は34,800円~のエントリーモデルとなっており、ディスプレイサイズは従来の9.7型から10.2型へと大型化されたのが大きな特徴です。
性能面で大きく変化した点はなかったものの、エントリーモデルの価格帯でiPadを購入したいユーザー層に人気のモデルです。
そのため、2019年9月時点での新古品を含めたiPadの取引数が伸びたと考えられます。
2019年以降のiPad取引数はゆるやかに減少し、2020年2月を境として取引数が増加傾向にあります。
これは、冒頭でも前述した通り、新型コロナウイルスの流行に伴って、在宅ワークや遠隔授業で使用するデジタル端末の需要が高まっているからだと考えられます。
総評
2020年4月24日(金)にiPhone SE(第2世代)がAppleから発売されたことによって、iPhone 8を中心に中古iPhone市場全体に値崩れが発生しました。
5月11日(月)にキャリア各社から発売されたこともあり、ランキング上位を独占しているiPhone 8の価格下落、取引量の増加が継続されると考えられます。
中古Android市場では、キャリア各社で実施されているオンライン限定キャンペーンの対象端末が多く取引されました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、携帯電話ショップの時短営業が継続されることで、さらにオンラインショップでの取り組みが進んでいくと考えられます。
2020年5月の中古スマホランキングの動向からも目が離せません。
【iPhone格安SIM通信について】
- iPhone格安SIM通信ではスマホの中古相場検索・相場レポートをはじめとして、海外・国内メーカー問わず話題のスマホ端末のレビュー・比較、格安SIMの購入方法を、気になる通信業界の情報を配信しています。
- 公式ウェブサイト:https://www.kashi-mo.com/media/
- 公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCakZHegYrdh-Y3EasvGf7bw
1983年生まれ。株式会社マーケットエンタープライズ
中古モバイル市場アナリスト
ソフトウェア開発会社にて、開発業務からスタートし、新会社設立時のWebマーケティング全般の業務を担った後、2010年にマーケットエンタープライズに入社。
当社でWebマーケティングの責任者や経営企画を担当後、現在は、メディア・プラットフォーム事業の責任者に従事する。膨大なデータの分析・管理能力を活かして、中古モバイル市場の動向を分析するアナリストも兼任する。
関連キーワード