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- 更新日:2020年06月12日
iPhone SE(第2世代)がキャリアから発売、iPhone 8の相場価格の下落は継続か
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新型iPhone SE(第2世代)が、キャリア各社から5月11日(月)に発売されました。
キャリア各社は、iPhone SE(第2世代)の発売日を4月27日(月)としていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため延期する運びとなりました。
iPhone SE(第2世代)は、49,280円のミドルレンジモデルとなっており、iPhoneが欲しいけれど高額ゆえに手が届かなかったという人にとって大きな影響を与えました。
4月の中古スマホ市場では、iPhone SE(第2世代)の発売によるiPhone 8の相場価格の下落が浮き彫りとなりましたが、今月も間接的な影響を与えたでしょうか。
本記事では、中古スマホ市場で取引量の多かった端末をランキング形式でご紹介しています。
中古スマホを使って賢い消費をしたい方は、ぜひ参考にしてください。
※フリーマーケットアプリやインターネットオークション等主要4サイトの取引実績により抽出した価格情報を元に、2020年4月と5月を比較しています。
iPhone 8の平均取引価格10.1%減少、市場全体の取引数は増加傾向
2020年5月のiPhone全体の取引数は、4月と比べて1.4%増加しました。
中古ランキングの1位~3位は前月同様、iPhone 8 64GB(au,ドコモ,ソフトバンク)です。
中古市場で取引されたiPhone 8の平均価格は25,000円と、4月の平均取引価格から10.1%減少しています。
▼iPhone 8 64GB平均相場価格の月別推移(2019年5月~2020年5月)
例年の傾向では、iPhone 8の相場価格の月別推移は3%~5%なので、大幅に値崩れしています。
iPhone 8の値崩れは、4月に発売されたSIMフリー版iPhone SE(第2世代)の影響だと考えられます。
iPhone SE(第2世代)は、4万円台と低価格でありながらiPhone 11 Pro同様のA13チップを搭載しており、見た目はiPhone 8同様の4.7インチサイズです。
最近のiPhoneは画面の大型化が進んでいますが、iPhone SE(第2世代)は4.7インチと小型です。
画面サイズはそのままでパフォーマンスを向上させたいユーザーが、iPhone 8からiPhone SE(第2世代)に乗り換えたと考えられます。
Appleは公式発表通り4月24日(金)に発売しましたが、キャリア各社は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため発売を延期しました。
例年、Appleとキャリア各社は新型iPhoneを同時発売していました。
新型iPhone発売の影響で相場価格に大幅な変化が見られるのは、発売月の翌月になる傾向でした。
今年はAppleとキャリア各社の発売時期が2週間近く開いたため、大幅な相場価格の下落傾向は7月も継続すると考えられます。
▼旧型iPhone SE取引数の月別推移(2019年5月~2020年5月)
ランキング外ではあるものの、商品状態の内訳で最も取引数が増加したのは、旧型iPhone SE 64GBでした。
旧型iPhone SE 64GBの5月平均相場価格は10,328円と、4月の平均取引価格から13.9%減少しています。
商品状態は傷汚れのある端末が多いため、旧型iPhone SEを手放してiPhone SE(第2世代)に乗り換えたと考えられます。
キャリア各社のキャンペーン終了、新古品の取引量減少
2020年5月のAndroid全体の取引数は、4月と比べて8%減少しました。
4月に実施されたキャリア各社のオンライン限定キャンペーンが終了したため、新古品の取引数は26.1%も減少しています。
5月の中古Androidランキングは大きく順位が入れ替わり、圏外から新たに3機種がランクインしました。
なかでも大きく取引数を伸ばしたのが、2位のXperia 1です。
商品状態はSIMロック解除済みの未使用品が多く、ムスビー内で出品している1業者から大量に出品されました。
Xperia 1は、6.5インチの4K有機ELディスプレイを採用しており、CPUにはオクタコアSnapdragon 855を搭載した高性能スマホです。
Xperia 1の相場価格が下落した要因としては、Xperia 1の後継モデル「Xperia 1 II」の発売が影響していると考えられます。
Xperia 1 IIは、アスペクト比21:9の有機ELディスプレイを採用しており、画面サイズは約6.51インチの5Gスマホです。
Xperia 1 IIの発売によって、Xperia 1の相場価格の下落を危惧した携帯販売代理店が、前月平均価格から6,000円程下げた状態で在庫を処分したと考えられます。
緊急事態宣言の真っ只中、iPadの需要増加により中央値騰貴
2020年5月のiPad全体の取引数は、4月と比べて2.3%減少しました。
全体の取引数は減少したものの、通常の取引水準の1,600~1,700と比べると15%増加しており、5月はテレワークによるタブレット端末の需要が高まったからだと考えられます。
中央値は2ヵ月連続で上昇しており、供給量が減少したため相場価格は全体的に上昇したと推論します。
前月と比較して最も取引数を伸ばしたのは、4位のiPad Airです。
iPad Airは2013年11月に発売されたモデルで、画面が大きい分iPad miniよりも細かい作業をできるのが特徴です。
商品状態はやや傷汚れあり、傷汚れのある端末が多く、商品状態の悪い端末が多いです。
端末の状態が悪い分、5月平均相場価格は12,400円となっており、iPadを安く購入したいユーザー層に人気を集めたため取引数を伸ばしたと考えられます。
政府が緊急事態宣言を解除し、一部の経済や社会活動が回復したことで、iPad全体の取引数はゆるやかに減少していくと推測されます。
総評
4月ランキングでは、4月24日(金)にiPhone SE(第2世代)がAppleから発売されたことで、iPhone 8に値崩れが発生しました。
今回、5月11日(月)にキャリア各社から発売されたこともあり、iPhone 8の価格下落、取引量の増加が継続されると考えられます。
中古Android市場は、4月に実施されたキャリア各社のオンライン限定キャンペーンが終了したことで、新古品の取引数はゆるやかに落ち着くと推測できます。
2020年3月、新型インフルエンザ等対策特別措置法が改正されたことで、キャリア各社はショップの時短営業・オンラインショップの利用を推進するようになりました。
緊急事態宣言によって外出自粛をする人が増え、公式オンラインショップの利用率は増加しています。
MCAの「キャリア公式オンラインショップ消費者実態調査 2020年上期」によると、公式オンラインショップの利用率は11.6%増加しました。
新型コロナウイルスの影響で、国民の生活様式も変化しているため、今後も公式オンラインショップでの購買は拡大し、利用率も増加すると推測されます。
緊急事態宣言が解除された2020年7月、中古スマホ市場は一体どのように変化していくのか期待です。
【iPhone格安SIM通信について】
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1983年生まれ。株式会社マーケットエンタープライズ
中古モバイル市場アナリスト
ソフトウェア開発会社にて、開発業務からスタートし、新会社設立時のWebマーケティング全般の業務を担った後、2010年にマーケットエンタープライズに入社。
当社でWebマーケティングの責任者や経営企画を担当後、現在は、メディア・プラットフォーム事業の責任者に従事する。膨大なデータの分析・管理能力を活かして、中古モバイル市場の動向を分析するアナリストも兼任する。
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