海外で格安SIMは使える？注意点や海外データ通信のおすすめ手段

格安SIMは安く使えて通信費を削減できるのが特徴です。国内で使うのであれば、毎月の費用負担を大きく減らせます。

また、様々なサービスがあり、自分に合ったプランを選べるのもメリットです。

しかし、よく海外に旅行や出張に行く人の中には、「海外では普段通り使えるの？」「もし使えない場合はどう対処したらよい？」と疑問に思う人もいるでしょう。

この記事では、海外での格安SIMの利用について、注意点やデータ通信の手段、海外利用におすすめの格安SIMを紹介します。

海外でも国内と同じように快適なデータ通信をしたい人は、ぜひ参考にしてください。

海外で格安SIMは利用できる？

格安SIMは国内では安い料金で使えてお得ですが、海外においてはどうなのでしょうか。

ここでは、海外での格安SIMの使い勝手について解説します。

国際通話やSMSは使える場合が多い

多くの格安SIMで、海外での通話やSMSの送受信が可能です。国際電話や海外へのSMS送信料は、格安SIM各社で料金が公表されています。

ただし、国内利用の場合とは料金体系が異なるため、事前に料金を確認したうえで利用しましょう。

データ通信はできないことが多い

格安SIMは、国際通話は可能でもデータ通信には対応していない場合があります。

例えば、IIJmioの海外でのデータ通信については、以下の通り公式サイトに記載されています。

海外でデータ通信をご利用される場合、渡航前または渡航先にてご自身でお調べの上、ご用意ください。IIJmioでは海外でデータ通信可能なサービスはございません。

引用：IIJmio公式サイト

国際ローミングとは、海外でデータ通信や音声通話をする際に使う仕組みです。

大手キャリアなどでは通話・通信に対応したものが使えますが、格安SIMには通話のみ対応しているものや、どちらも非対応のものがあります。

海外で使える格安SIMは選択肢が限られます。海外で使うために格安SIMを契約する人は、料金やデータ容量に加えて、国際ローミングでの通話・通信に対応しているかをチェックしましょう。

海外で格安SIMを使う際の注意点

海外で格安SIMを使う際は、以下の2点に注意が必要です。

注意点を押さえておかないと、いざ海外へ行ったときに使えなかったり想像以上のお金がかかったりします。契約前に注意点を確認しておきましょう。

高額請求になる可能性がある

海外での通話やデータ通信の料金は国内と異なります。

国内での通話料金は30秒あたり22円(税込)や11円(税込)で済みますが、海外宛の電話は30秒で40円や50円以上かかるケースが大半です。そのため、使いすぎると思わぬ高額請求がくる可能性があります。

また、データ通信についても、請求額が高くなることがあるので注意が必要です。

例えば、ワイモバイルでは、海外でのデータ通信がお得になる「海外パケットし放題」に加入するかどうかによって、料金が以下のように異なります。

上記の通り、1ヵ月で数万円の請求が来る可能性があります。

また、「海外パケットし放題」のほかにも「海外あんしん定額」という定額オプションがあります。

海外で格安SIMを使う際は、料金や加入しておくとお得なオプションを必ず確認しておきましょう。

回線やSIMの種類によっては使えない

格安SIM契約時の回線やSIMの種類によっては、海外での通話やデータ通信ができない場合があります。

例えば、以下の格安SIMでは、特定の回線のみ海外利用ができません。

格安SIMの公式サイトなどで「海外利用可」となっている場合でも、契約している回線やSIMで利用できるかどうかを確認しましょう。

海外でデータ通信するおすすめの方法

海外でデータ通信するおすすめの方法は、以下の3つです。それぞれ、どのようなケースに適しているかをチェックしてください。

海外eSIMアプリで申し込む

海外現地で利用可能なeSIMを購入できるアプリを使えば、簡単に海外でデータ通信ができます。渡航先やプランを選んで購入するだけでデータ通信ができる手軽さが魅力です。

eSIMを購入するには、事前にアプリのダウンロードや会員登録が必要です。海外出発前にダウンロードして購入しておけば、現地でスムーズに使えるでしょう。

おすすめの海外eSIMはこちらでも紹介しています。短期間の渡航時や、気軽にデータ通信環境を整えたいときにおすすめです。

海外対応の格安SIMを契約する

海外利用に対応した格安SIMを契約しておけば、いつ海外に行っても快適にスマホが使えます。

国際電話は多くの格安SIMで使えますが、データ通信は一部の格安SIMでしか対応していません。

しかし、大手キャリアのサブブランドやオンラインプランなどは、国際ローミングに対応しており海外でも通話や通信ができます。

おすすめの格安SIMはこちらでも紹介しています。海外だけでなく日常のサブ回線としても使いたい人は、ぜひ契約を検討してみてください。

海外対応のポケット型WiFiをレンタルする

短期の出張や旅行であれば、海外で使えるポケット型WiFiをレンタルすれば、海外用のサブ回線を契約するよりも安上がりになる可能性があります。ポケット型WiFiは最短1日からレンタルできます。

サブ回線の契約とは異なり、海外渡航期間しか料金が発生しないため、家計の負担にもなりません。

海外対応のポケット型WiFiは、渡航先によって料金が異なります。また、サービスごとに使える端末や返却方法などが異なるため、レンタル前にチェックしておきましょう。

海外eSIMのおすすめ3選

おすすめの海外eSIMを紹介します。

ここで紹介するサービスは、どれもアプリから簡単に購入できます。出国前や現地に着いたときに購入して、気軽に海外でデータ通信を行いましょう。

Airalo(アイラロ) | 初めてでも使いやすい

※2024年8月時点の相場(ドル円146円)です。

Airalo(アイラロ)は、世界の500万人以上のユーザーが利用する海外eSIMアプリです。

200以上の国や地域でeSIMが利用できます。各国専用のSIMに加え、世界中で使えるグローバルSIMも提供されています。

世界の多くのユーザーから高評価を得ており、初めての人でも使いやすいeSIMアプリです。

trifa(トリファ) | 最短3分でeSIMを発行できる

trifa(トリファ)は、すべての手続きがスマホで完結するeSIM購入アプリです。

最短3分で登録できるため、出発直前でも現地でもすぐにeSIMの手配ができます。

アプリで利用状況を確認できたり、日本語対応のサポートチャットがあったりと、国内の格安SIMと同じ感覚で利用できる使いやすさも魅力です。

ただし、trifaでは音声通話付きSIMを購入できません。通話をする際は、LINEやSkypeなど通話アプリの活用が必須です。

KKday(ケーケーデイ) | SIM以外のチケットも購入できる

KKday(ケーケーデイ)は、SIMだけでなく国内外の観光スポットのチケットや乗車券を購入できるのが特徴です。

幅広いジャンルのチケットを安価で取り扱っているため、1つのサイトで旅行の準備が完結します。

SIMにも様々な商品があります。購入する際は地域やデータ量、SIMの形態などを間違えないように注意しましょう。

海外対応の格安SIMおすすめ4選

海外でも使えるおすすめの格安SIMは、以下の4つです。

海外対応の格安SIMがあれば、ポケット型WiFiをレンタルしたりプリペイドSIMを購入したりする必要はありません。

海外へ頻繁にいく人は、ぜひ契約を検討してみてください。

ahamo | 20GBのデータ容量で長期滞在にも便利

(税込)	ahamo
月額料金	20GB ：2,970円 100GB ：4,950円
海外ローミング料金	追加料金不要
海外ローミングデータ量	20GB
対応している国・地域	91の国・地域
海外利用	データ通信
回線	ドコモ
下り平均 通信速度※	65.92Mbps
国内通話料	22円／30秒
eSIM	あり
支払方法	口座振替 クレジットカード

※下り平均通信速度は、「みんなのネット回線速度」の2024年8月直近3ヵ月のデータを引用しています。

ahamoは、海外で最大20GBまで利用できるため、海外旅行へよく行く人はぜひ契約したい格安SIMです。海外では、91の国と地域での利用に対応しています。

日本人の主な渡航先の98％に対応しており、観光目的で海外に行くときはほとんどの地域で使えると考えて問題ないでしょう。

20GBを超えると、速度が最大1Mbpsに制限されます。とはいえ、20GBは屋外でスマホを高頻度で使わない限り消費しきれないデータ容量です。

数日の滞在はもちろん、1ヵ月以上の長期滞在にも対応できます。

国内では月間20GBまたは100GBが利用できるため、屋外でも頻繁にスマホを使う人におすすめです。

【ahamo公式】詳細はこちら

povo | 海外用トッピングが豊富

(税込)	povo
料金	1GB：390円 3GB：990円 20GB：2,700円 60GB：6,490円 150GB：12,980円
対応している国・地域	160以上の国・地域
海外利用	・音声通話 ・SMS ・データ通信
回線	au
下り平均 通信速度※	93.06Mbps
国内通話料	22円／30秒
eSIM	あり
支払方法	クレジットカード

※下り平均通信速度は、「みんなのネット回線速度」の2024年8月直近3ヵ月のデータを引用しています。

povoは、トッピング形式でデータ容量を購入できるため、海外用回線だけでなくサブ回線としても優秀な格安SIMです。

海外用のトッピングは国内と料金が異なります。また、各国専用のトッピングも用意されており、豊富なラインナップから自由にデータ量を選択できます。

海外用トッピングの料金、海外利用での音声通話・SMSの料金は以下の通りです。

海外用トッピングの料金

トッピング	料金
レギュラートッピング (90以上の国・地域に対応)	0.5GB(24時間)：640円 1GB(3日間)：1,480円 2GB(5日間)：2,880円 3GB(7日間)：4,280円 5GB(14日間)：7,080円
韓国	1GB(3日間)：690円 3GB(7日間)：2,000円
アメリカ	1GB(3日間)：780円 3GB(7日間)：2,260円
ヨーロッパ	1GB(3日間)：840円 3GB(7日間)：2,430円
台湾	1GB(3日間)：680円 3GB(7日間)：1,980円
中国・香港・マカオ	1GB(3日間)：680円 3GB(7日間)：1,980円
タイ・ベトナム	1GB(3日間)：760円 3GB(7日間)：2,200円
シンガポール・マレーシア	1GB(3日間)：840円 3GB(7日間)：2,430円
ワイドトッピング (160以上の国・地域に対応)	0.3GB(30日間)：6,980円

海外利用の音声通話・SMS料金

	音声通話				SMS
	発信(滞在国内)	発信(日本宛)	発信(日本以外宛)	着信	送信	受信
韓国	50円 / 分	125円 / 分	265円 / 分	70円 / 分	100円 / 通	無料
アメリカ	120円 / 分	140円 / 分	210円 / 分	165円 / 分
タイ	70円 / 分	175円 / 分	265円 / 分	155円 / 分
シンガポール	75円 / 分	175円 / 分	265円 / 分	155円 / 分

※渡航先別の料金はこちら

トッピングを購入すれば、国内と同じように海外でのデータ通信ができます。行く地域があらかじめ決まっているのであれば、地域専用のトッピングを購入した方がお得です。

povoは基本料金0円で使える格安SIMです。トッピングを購入して利用するため、購入しなければ0円での運用ができます。

海外旅行に行くときだけトッピングを購入すればよいため、余計な料金がかかりません。

ただし、180日間トッピングの購入がないと利用停止・契約解除となるため、半年に1回はトッピングを購入するようにしましょう。

楽天モバイル | 専用アプリでお得に通話できる

(税込)	楽天モバイル
月額料金	〜3GB：968円〜1,078円 〜20GB：2,068円〜2,178円 20GB〜：3,168円〜3,278円
海外ローミング料金	1GB：500円 (2GBまで無料)
海外ローミングデータ量	1～5GBのチャージ式
対応している国・地域	73の国と地域
海外利用	・音声通話 ・SMS ・データ通信
回線	楽天 au(パートナー回線)
下り平均 通信速度※	90.89Mbps
国内通話料	22円／30秒 ※専用アプリ使用時は無料
eSIM	あり
支払方法	クレジットカード デビットカード 口座振替 楽天ポイント

※下り平均通信速度は、「みんなのネット回線速度」の2024年8月直近3ヵ月のデータを引用しています。

楽天モバイルを使える国と地域の詳細

• アイスランド、アイルランド、アメリカ（ハワイ）、アメリカ本土、アラブ首長国連邦、アンドラ、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、ウクライナ、エジプト、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カタール、カナダ、カンボジア、韓国、キプロス、ギリシャ、グアドループ、グアム、クウェート、クロアチア、サイパン、サウジアラビア、ジブラルタル、シンガポール、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、タイ、台湾、チェコ共和国、中国、デンマーク、ドイツ、トルコ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、ブラジル、フランス、フランス領ギアナ、ブルガリア、ベトナム、ペルー、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、香港、マカオ、マルタ、マルティニーク、マレーシア、南アフリカ、ミャンマー、メキシコ、モロッコ、ヨルダン、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク、レユニオン、ロシア

※2024年8月時点
※アラブ首長国連邦、ウクライナ、エジプト、カタール、クウェート、サウジアラビア、ヨルダンは、国際通話かけ放題の対象外、国際SMS送信の無料対象外
※ミャンマーは国際通話かけ放題の対象外

楽天モバイルは、たまに海外へ行く人におすすめの格安SIMです。海外では毎月2GBまで無料で利用できます。

海外73の国と地域で利用できるため、観光や出張でも安心して使えます。2GB超過後は最大128kbpsでデータ通信が使い放題となります。

ただし、パケット料金が加算されるため使いすぎには注意してください。

また、電話アプリ「Rakuten Link」が優秀です。Rakuten Linkは国内通話が無料でできますが、海外でもRakuten Linkユーザー同士であれば通話料が無料となります。SMSもお互いがRakuten Linkを使っていれば、送受信が無料です。

楽天モバイルは国内でも無制限通信ができます。20GB以上ならどれだけ使っても月額3,278円(税込)のため、毎月の通信費を抑えられます。

料金の支払いには楽天ポイントが使えるため、楽天市場などの楽天サービスをよく利用する人であれば、毎月の料金をポイントで賄うことも可能です。

【楽天モバイル公式】詳細はこちら

LINEMO | 安心して使える定額プラン

(税込)	LINEMO
月額料金	・ベストプラン： ～3GB：990円 ～10GB：2,090円 ・ベストプランV： ～20GB：2,970円 ～30GB：3,960円
海外ローミングデータ量	1MB～150MB
対応している国・地域	南・北アメリカ、オセアニア、アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカの国と地域
海外利用	音声通話 データ通信
回線	ソフトバンク
下り平均 通信速度※	80.56Mbps
国内通話料	22円／30秒
eSIM	あり
支払方法	口座振替 クレジットカード

※下り平均通信速度は、「みんなのネット回線速度」の2024年8月直近3ヵ月のデータを引用しています。

LINEMOでは、安価な従量制プランが提供されています。海外で使うには「世界対応ケータイ」に加入したうえで「海外あんしん定額」または「海外パケットし放題」を利用しましょう。

海外あんしん定額は、あらかじめデータ容量と料金が決まっているため、渡航先での利用でいくらかかるか見えやすいのが特徴です。料金は以下の通りです。

定額国Lプラン (※1)	データ容量	料金
24時間プラン	3GB	980円
72時間プラン	9GB	2,940円

データ容量	定額国Sプラン (※2) 料金
1MB	1,980円
5MB	9,800円
10MB	19,600円

※1：アメリカ・タイ・韓国・台湾など

※2：バハマ・ジンバブエ・イラン・レバノンなど

多くの観光地は定額国Lプランで対応できます。滞在期間や利用状況に合わせてプランに申し込みましょう。

海外パケットし放題は、1日2,980円でデータ通信が使い放題のプランです。

なお、どちらのプランも、新規契約の場合は課金5ヵ月目から加入できるようになります。契約直後の国際ローミング利用はできません。

乗り換えであれば、すぐに国際ローミングの利用ができるため、海外旅行の予定が近い人はLINEMOに乗り換えておくとよいでしょう。

支払い方法は口座振替に対応しており、クレジットカードがない人でも簡単に乗り換えができます。

以下の記事では、LINEMOの評判を紹介しています。契約を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

【LINEMO公式】詳細はこちら

海外のデータ通信についてよくある質問

海外のデータ通信に関する質問や疑問をまとめました。海外へ旅行や出張に行くときの参考にしてください。

海外で使える格安SIMまとめ

海外での格安SIMの利用について、注意点やデータ通信の手段、海外利用におすすめの格安SIMを紹介しました。

おすすめの海外eSIMと海外対応の格安SIMは以下の通りです。

海外でデータ通信を行う場合は、高額な請求に注意しましょう。国内と同じ感覚で使っていると、数千円〜数万円を請求される場合があります。

海外eSIMやポケット型WiFiなど、海外でデータ通信を行う方法は様々です。

海外利用できる格安SIMは、普段のスマホと同じ使い勝手で利用できるため、現地でも安心して使えます。

海外出張や旅行のお供に、ぜひ海外で使える格安SIMの契約を検討してみてください。

以下の記事では、格安SIM(スマホ)のおすすめ比較ランキングを紹介しています。自分に合った格安SIMを探している方は、こちらもあわせてお読みください。