- 特集
- 更新日:2019年07月22日
HUAWEI問題で揺れる中古スマホ市場|7月最も人気だったAndroidは?
※当記事はPRを含みます。詳しくはこちら。
※カシモWiMAXは株式会社マーケットエンタープライズの関連会社、株式会社MEモバイルが運営しています。
中国の通信機器メーカーであるHUAWEIに対する、米国の制裁の余波が日本にも及んでいます。
一部の企業では自社へのペナルティを恐れ、HUAWEIとの取引を停止している状況でした。それにより、各携帯会社はHUAWEIの新作モデルの発売を延期しました。
一体HUAWEI問題は中古スマホ市場にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。また、iPhoneに順位変動はあったのか、7月の相場を見ていきましょう。
代理店のキャンペーンが中古iPhone市場に影響?
2019年7月のランキングは、1位iPhone 7(32GB)、2位iPhone 8(64GB)となっており、5月と同じ機種がランクインしました。ランキング上位のラインナップもほぼ変わらず、iPhone 7とiPhone 8が上位を占めています。
取引量が最も増えているのは、4位のiPhone 8 64GB(ソフトバンク)です。
iPhone 8 64GB(ソフトバンク)の取引量が増えた要因として、ソフトバンク代理店のキャンペーンの影響が考えられます。ソフトバンク代理店では7月、iPhone 8 64GB(ソフトバンク)を対象とした一括0円や高額キャッシュバックキャンペーンを実施していました。
それらキャンペーンで購入した端末の転売が増加し、中古市場での流通量が一時的に増えたものと見られます。その証拠に、流通しているiPhone 8 64GB(ソフトバンク)の多くが新品未使用品でした。
新品未使用品の流通量が増えたことにより、平均価格も5月に比べて微増しています。
HUAWEI端末が圏外からトップ10入り
順位変動が少なかったiPhoneに対して、Androidは大きく順位が入れ替わりました。TOP10圏外だったモデルが3機種もランクインしています。
注目すべきは、「Pixel 3(ソフトバンク)」「HUAWEI Mate 20 Pro(ソフトバンク)」の2機種。
前回ランキング2位にまで取引量を増やしたPixel 3が、今月の取引量ランキングで1位に順位を上げました。
Google Pixel 3が大きく順位を伸ばした理由の1つが、廉価版「Google Pixel 3a」の登場です。Google Pixel 3aは、ドコモ・ソフトバンクの夏モデルとして発表されました。
実はこの端末は、Google Pixel 3とほぼ同じスペックを備えているため、Pixel 3a発売前にソフトバンクの代理店等がPixel 3の在庫を大量に処分したのではないかと考えられます。
7位のHUAWEI Mate 20 Pro(ソフトバンク)が圏外からランクインした要因として、HUAWEI端末のバックドアが発見されたなどの問題により、GoogleがHUAWEI端末に対するサポートを終了しました。
サポートが終了したことで、OSアップデートやGoogle Map等のアプリが今後使用できなくなる可能性が危惧されています。
これらの影響を受けて、ユーザーが中古市場でHUAWEI端末を手放したため、取引量が増えたものとみられます。
総評
HUAWEI端末の販売規制によってランキングが入れ替わった、中古Android市場。
Googleのサポート終了や新作モデルの販売規制が影響し、HUAWEI端末を中古で売却するユーザーが一時的に増えたものと見られます。
これらHUAWEIへの制裁は7月末に緩和されたため、中古スマホ市場への影響は徐々に収束していくでしょう。
大きくランキングが変動したAndroidに比べ、ゆるやかな変化にとどまった中古iPhone市場。
新作iPhoneの発売が9月に控えているため、それまで大きな変動はないと予想されます。
Androidは5・7月に各キャリアから新作が発売されたため、買い替えで不要になった旧モデルがランクインする可能性が高いです。7月も中古スマホ市場から目が離せません。
1983年生まれ。株式会社マーケットエンタープライズ
中古モバイル市場アナリスト
ソフトウェア開発会社にて、開発業務からスタートし、新会社設立時のWebマーケティング全般の業務を担った後、2010年にマーケットエンタープライズに入社。
当社でWebマーケティングの責任者や経営企画を担当後、現在は、メディア・プラットフォーム事業の責任者に従事する。膨大なデータの分析・管理能力を活かして、中古モバイル市場の動向を分析するアナリストも兼任する。
関連キーワード