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  • 更新日:2021年08月01日

新作iPhoneへの期待を高めるユーザー増加?大幅な順位変動があった7月

新作iPhoneへの期待を高めるユーザー増加?大幅な順位変動があった7月

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毎年、新機能・デザイン・スペックの噂が持ち上がるiPhoneシリーズ。

今年もAppleは新作iPhoneを発売予定と見られており、すでに様々なリーク情報が出ています。新作iPhone発売前に大きな順位変動はあったのでしょうか。

一方のAndroid市場では、HUAWEI問題によって、先月初めてHUAWEI端末がランクインしました。HUAWEIへの制裁は7月末に緩和されましたが、中古Android市場は未だ変動を続けているようです。

本記事では、中古スマホ市場で取引量の多かった端末をランキング形式でご紹介しています。中古スマホを使って賢い消費をしたい方は、ぜひ参考にしてください。

※フリーマーケットアプリやインターネットオークション等主要4サイトの取引実績により抽出した価格情報を元に、2019年7月と7月を比較しています。

iPhone7/8の人気はまだまだ途絶えない!

2019年7月、最も取引量が多かったのはiPhone 8 64GB(au)、2位はiPhone 7 32GB(ドコモ)となっており、7月のトップ2が入れ替わる結果となりました。

2位にランクダウンしたiPhone 7 32GBは、5月に新規受付を終了したdocomo with対象端末でした。

docomo withとは、機種変更や解約をしない限り、毎月1,000円の割引が継続して受けられるというキャンペーンです。一度対象端末を購入すれば、別端末にSIMカードを差し替えることで、機種変更後も割引を受けることができました。

割引目的で購入したiPhone 7 32GBを新品のまま転売するユーザーが増えたため、7月はiPhone 7 32GB(ドコモ)がランキング1位でした。7月はそうした転売の動きが落ち着き、2位にランクダウンしたのだと思われます。

10位のiPhone 6s 64GB(ドコモ)は、先月の7位から大幅に順位を落とす結果となり、iPhone 7とiPhone 8が上位に目立つ形となりました。

中古市場でのiPhone 6sは、「やや傷汚れあり品」と「傷や汚れあり品」の端末比率が増えています。

iPhone 6sは4年前に発売された古いモデルのため、徐々に状態がいい端末が減ってきており、iPhone 6sからiPhone 7以降のモデルにユーザーの需要が移行していると考えられます。

2019年7月、IIJmioから国内初の「eSIM」サービスがリリースされました。eSIM対応機種は、昨年秋に発売されたiPhone XS、XS Max、XRです。

今後eSIMサービスが広まれば、SIMロック解除済みのiPhone XS、XS Max、XRの需要が高まるのではないでしょうか。

HUAWEI問題が及ぼす影響は?

Androidは大きく順位が入れ替わり、7月にTOP10圏外だったモデルが4機種もランクインしました。

圏外から大躍進したのは、「Xperia XZ3(au)」「HUAWEI P20 lite(au)」「Galaxy S5(ドコモ)」「AQUOS EVER SH-04G(ドコモ)」の4機種です。

1位のXperia XZ3が大きく順位を伸ばした理由の1つが、「Xperia 1」の登場です。Xperia 1は、auの夏モデルとして2019年7月に発売されました。

Xperia 1発売前の在庫処分のため、Xperia XZ3は4月よりauオンラインショップで大幅な値下げが行われました。

7月はさらに割引額が増え、定価75,600円のXperia XZ3が43,200円で購入できるようになり、中古市場で新古品として流れたと考えられます。

2位のHUAWEI P20 lite(au)は、新古品と目立った傷汚れなし品が増加しており、買取店舗のゲオがヤフオクに出品したものが大半を占めていました。

前回のレポートでご紹介したように、HUAWEI端末でバックドアが発見されたことから、GoogleはHUAWEI端末に対するサポートを終了しました。

この影響を受け、HUAWEI端末の価格が下がることを危惧した買取店が在庫処分したのではないかと考えられます。

4位のGalaxy S5(ドコモ)は、販売から5年以上経過しているローエンドモデルです。中古市場では、比較的に状態の悪いものが多く、個人使用品もしくは法人のリースアップ品が流通したと考えられます。

総評

iPhone市場は先月と比べて取引量が減少し、順位変動が全く見られない結果となりました。これは、9月の新型iPhone発売に向けて、ユーザーがiPhoneの機種変更を控えている影響ともとれます。

実際、昨年のiPhone XS/XS Max発売前は、iPhoneの取引量がゆるやかに減少しました。

昨年と同じ流れだとすると、新作iPhoneの発売を待つユーザーが増えることで、来月はさらにiPhoneの取引量が減少すると考えられます。

Android市場では、新機種発売前の在庫処分や、HUAWEI問題の影響を受けてランキング上位が入れ替わりました。

HUAWEI端末を手放すユーザーや、在庫処分をする買取店によって、今後も順位変動が予想されます。

そして、中古スマホ市場を大きく動かすであろう、9月1日実施の「SIMロック(※)解除の義務化」。

これまでキャリアで購入した端末は、契約者本人しかSIMロックの解除ができませんでした。

そのため、SIMロックのかかった中古端末は特定キャリアでしか使うことができず、端末とセットでキャリアと契約するのが一般的でした。

総務省はこうした状況を是正し、9月1日からは契約者以外も自由にSIMロックの解除ができるようになります。

この改正により、新品スマホをキャリアで契約する必要性が薄れ、ユーザーが自由にスマホと携帯会社を選ぶことが可能になります。

安価な中古スマホの需要も高まり、ますます中古スマホ市場が活性化するのではないでしょうか。

7月の中古スマホ市場の動きにも、目が離せません。

※SIMロック:携帯キャリアのSIMカードしか利用できないようにするためのロックのこと。

アナリスト 菅野 辰則 ― ライター
アナリスト 菅野 辰則 ― ライター

1983年生まれ。株式会社マーケットエンタープライズ  中古モバイル市場アナリスト
ソフトウェア開発会社にて、開発業務からスタートし、新会社設立時のWebマーケティング全般の業務を担った後、2010年にマーケットエンタープライズに入社。 当社でWebマーケティングの責任者や経営企画を担当後、現在は、メディア・プラットフォーム事業の責任者に従事する。膨大なデータの分析・管理能力を活かして、中古モバイル市場の動向を分析するアナリストも兼任する。