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- 更新日:2019年10月29日
SIMロック解除義務化による中古スマホ市場への影響は?(2019年7~9月スマホ相場ランキング)
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SIMロック解除義務化や新型iPhoneの発売等、大きな変動のあった携帯業界。
10月からは違約金1000円、端末割引上限2万円等を定める改正電気通信事業法が施工されるため、さらなる変動が予想されます。
7~9月の中古スマホ市場はどのように変動したのでしょうか。中古スマホ市場の動きから、現在のトレンド端末とその理由を分析していきます。
iPhone 11シリーズ発売前の買い控えで取引量は減少
7~9月のiPhone市場は、iPhone 7とiPhone 8がランキング上位をほぼ独占する結果となりました。
前四半期(4~7月)と比べると、大きく変わったのはランキング1位の端末です。docomo with終了前の駆け込み需要で1位になったiPhone 7 32GB(ドコモ)が4位に落ち、2、3、4位がそのまま繰り上がりました。
前四半期で9、10位にランクインしたiPhone 6sは10位のみとなり、ランキング上位はほとんどiPhone 7、iPhone 8となっています。
新型iPhone 11シリーズ発売と同時にiPhone 8を含む過去モデルの値下がりが実施されたため、iPhone 8の人気はしばらく続くと思われます。
iPhone市場全体でみると、新型発売前の買い控えで7月はやや取引量が減少。iPhone 11シリーズ発売で9月は取引量が大きく伸びるかと思いきや、7月とほぼ同水準となりました。
第4四半期(10~12月)では、新型iPhone 11や値下がりしたiPhoneへの機種変更により、取引量が増えるのではないかと予想されます。
Xperiaがランキング独占!?あの端末もランクイン
Androidランキング1位は、圏外から大きく取引数を伸ばしたXperia XZ3。前四半期と比べると、取引数291%増でランキングを大きく塗り替えました。
Xperia XZ3の取引数が増加したのは、「Xperia 1」発売による値下げが要因だと考えられます。
Xperia 1は、auの夏モデルとして2019年7月に発売されたモデルです。Xperia 1の発売に伴い、auオンラインショップでは過去モデルの大幅値下げが行われました。
Xperia XZ3は定価の6割ほどで購入でき、新品で購入したユーザーが市場に流したことで取引数が増えたのだと思われます。
バックドアが問題になったHUAWEI端末は、6位にランクイン。キャリアの販売中止で前四半期は取引数が減りましたが、7月以降販売が解禁されて元に戻ったものと考えられます。
販売再開とともに取引数が戻ったことからも、バックドア問題がユーザーに与える心理的影響は限定的なようです。
ただし、バックドアの露呈により、GoogleはHUAWEI端末へのサポートを停止しています。そのため最新のHUAWEI端末では、GメールやGoogleマップといったGoogleアプリがインストールできません。
多くのユーザーがいるGoogleアプリが使えないとなると、今後HUAWEI端末の流通量は減っていくのではないでしょうか。
SIMロック解除義務化で中古スマホ市場は変化した?
総務省の法改正により、大手キャリアではSIMロックの解除手続きが9月1日から義務化されました。
これまでSIMロックの解除は契約者本人にしかできませんでしたが、今後は契約者以外でも解除できるようになります。
つまり、SIMロックのかかった中古端末も自由にSIMフリー化できるため、今まで以上に中古端末の用途が広がるということです。
しかしこのSIMロック解除、ユーザーへの浸透度は現状あまり高いとはいえません。というのも、au・ソフトバンクの中古端末をのSIMロックを解除するには、店頭に行く必要がある上、手数料もかかるからです。
ドコモと同じように、WEB手続きや解除無料化が進めば、中古スマホ市場の流通量にも変化が現れるかもしれません。
一方で、10月からは改正電気通信事業法が施行されます。
改正電気通信事業法では、通信料金と端末料金を分離し、端末割引の上限を2万円としました。端末購入時の大幅割引が規制されるため、新品で端末を購入する際の足かせとなる可能性があります。
しかし裏を返せば、新品に比べて価格の安い中古端末を購入するという選択肢も、今後増えてくると予想されます。
加えて端末の割引規制は、今後の中古相場に流通する端末の種類や人気をも左右するでしょう。これまではキャッシュバックや値引きの有無によって取引量が変わっていましたが、値引き額が一定になることで、端末の人気や価値によって評価される中古相場になる と思われます。
SIMロック解除義務化の影響で中古市場にSIMフリー端末が増えてくれば、機種変更時のユーザーの選択の1つになりうるでしょう。10月以降の中古スマホ市場の動向に注目が集まります。
1983年生まれ。株式会社マーケットエンタープライズ
中古モバイル市場アナリスト
ソフトウェア開発会社にて、開発業務からスタートし、新会社設立時のWebマーケティング全般の業務を担った後、2010年にマーケットエンタープライズに入社。
当社でWebマーケティングの責任者や経営企画を担当後、現在は、メディア・プラットフォーム事業の責任者に従事する。膨大なデータの分析・管理能力を活かして、中古モバイル市場の動向を分析するアナリストも兼任する。
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